「処分すること」の風水的解釈

2011年の東日本大震災の後、
水や非常食の「買占め」が社会的な問題になりましたよね。
非常時、自分や家族の身を守りたい！と思うのは当然のことですし、
そのために必要な物をなるべく多く確保しておきたいと思うのも
なんら不思議なことではありません。

そこにあるのは、「恐怖心」。

もしも、また大きな地震がきたら？
その時に、食べる物が何もなかったら？
そんなのは困る！死にたくない！
･･･そのような防衛心が働くからこそ、人は物を抱え込むのでしょう。

しかし、風水的な解釈としては、それでは良い運気は呼び込めません。
非常食はともかくとして、ガラクタに関してはなおさらのこと。
処分した時に感じる後悔や孤独感を恐れるあまり、
ガラクタで身の回りをかためてしまうのです。

『ガラクタ捨てれば自分が見える』の著者で有名な風水師、
カレン・キングストンさんの著書に、
こんな印象的な言葉が出てきます。

「愛と恐怖は同じ空間に共存することができない。
だから、恐怖心のために物を溜め込んでいる限り
そこに愛が入り込む隙間がない。」

物はたくさんあるけれど、心は満たされない。
物質的には豊かだけれど、精神的には孤独を抱えている。
そんな現代人の在り方をよく表している言葉だと思います。

使わないもの、そんなに好きではないもの、
壊れていてもう使えないもの。
そんなガラクタにさえ執着し、処分できずに溜め込んでしまう。

･･･それは、物や人が常に変化していくものであり
全てが流動的な性質を持っていることを理解していない証拠でしょう。

人が成長と共に変わっていくように、物の姿も変わっていきます。
ずっと同じ姿で在り続けるものなど、存在しないと言っても過言ではないでしょう。
ですから、Aという物の「今」の形に愛着を感じていても、
2年後、3年後に全く同じ愛を感じることができるとは限りません。

処分できずに溜め込んだガラクタの中には、
すでに「愛」を失われてしまった物がたくさんあるのではないでしょうか。

それをずっと手元に置いておくことは、
あなたの家やあなた自身の運気の流れを停滞させることにつながります。

人でも物でも、愛を感じられなくなったのであれば
しかるべき形で処分することもまた一つの愛の形。
それによって、自分自身にも新しい愛の流れを招き入れることができるのです。

今は、単に「捨てる」という処分方法の他に、
「リサイクル」で新しい愛をくれる人を探すという方法もあります。
長年愛用した品をゴミ袋に入れて捨ててしまうことに抵抗を感じる方は、
リサイクルショップやオークションサイトなどを利用して
新しい持ち主を見つけてあげましょう。

それも、愛用した物に対する「愛」の表現方法です。

老後に備えて、蓄えは多ければ多いほど安心だ。
そう信じて、若い頃からコツコツと貯金をしている方も多いでしょう。

しかし、本当にそうでしょうか？
もし、そのために多くの体験を諦めて生きているなら、
それはちょっともったいない人生かもしれませんよ。

風水で言うところの「ガラクタ」は、
実はお金である場合もあるんです。

「将来のため」「イザという時のため」と、
楽しむことを後回しにしてお金を貯め込むことは
ガラクタを溜め込むのと同じくらい残念なこと。

「金は天下の回り物」とはよく言ったもので、
お金は世の中を循環させてこそ自分自身も豊かになれるものなんです。
風水では、お金を使う＝「処分する」という発想も
幸せになるためには大切なことだと考えられているのです。

「豊かになる」というと、とにかくお金があって、贅沢な暮らしができて･･･
という物質的豊かさばかりをイメージする方も多いと思いますが、
本当に豊かな人生とは、「心の豊かさ」があってこそ叶うもの。
その豊かさを得るためには、適度にお金を使うことが大切なんです。

溜め込むことばかりに躍起になっていると、
老後になってもなかなかお金を使うことができません。
でも、そのお金、天国には持っていけませんよね？

子孫のために残すという発想はもちろん尊いものですが、
せっかくの人生、自分のためにお金を使わないなんてつまらない！！

風水の理論に則って、人生の終わりを迎える前に
気持ち良くお金を処分することも考えましょう。

インテリアコーディネートに生かせる風水を紹介します。